黒の国〜影の森〜

誰しもハッピーエンドな訳は無いのだから。バッドエンドはすぐ其処まで来ている。

宮廷魔導士の手記  その1

つい最近、我が国の王が病死し、王子だったラネリウスが即位した。

 

彼は王に即位しても、以前と大して放浪癖は変わらなかった。一時期魔道学校へ通った数年間は無かったが、王宮に戻ってからは再びこっそり出掛けるようになった。しかも、魔法を使うようになったために、目を離すとすぐ瞬間移動魔法を使って王宮外へ出て行ってしまう。公務の途中であってもだ。これが問題の種である。

そして、自分が連れ戻すのがもはや、お決まりとなってしまっていた。

 

「いい加減にしてください。何処でお命が狙われるか分かりません故、王となった以上、王の御身はお大事にしてくださいと散々申しているではないですか!!」

「いいじゃないかウォイス、僕こうやって町中を廻るのが好きなんだよ。どういう改革をして行けばいいかとか考えられるし、ラヌちゃんにあえるし。それに近いうちに“結婚”って奴をするみたいだし、そうしたら僕、自由に外に出られなくなるんだよ?それまでは出たっていいじゃないか。自分も楽しくなくちゃねー。過労死しちゃうよ。」

貴方は過労死どころか安楽死だ。過労死するのは自分の方だ。いつも通り、ため息をつく。

 魚屋で立ち話をしていた王を見つけ、説教をしたのは良かったが、いつも通り反省をしている様子は無かった。

「とにかく、明日は姫君との見合いなのです。体調を管理していただかないと。本日は肌寒いですからもうこの辺で・・・・ってあれ」

すぐ目の前にいたはずの王の姿はそこには無かった。周囲を見回した所、大図書館から出てくるラヌメットの姿が目にとまった。そしてその脇には王の姿・・・・・・

「あ、ラヌちゃん!!久しぶりだねぇー」

「あ、ラネちゃんお久しぶり!王様になってまだ三日だけどどう?」

また瞬間移動魔法使ったのか。開いた口が塞がらないとはこの事だ。呆れを通り越してその態度に敬意を表すぞ。(悪い意味で)

ラヌメットの方へ視線を移せば、彼の腕の中には大量の本が抱えられており、勉強に使うようであった。

「別に変わんないよー、だってほら、今日もこうして来た訳だし」

 

本を地面にそっと降ろし、俺に気がついたのか一瞬固まったものの、再びおうの方へと目をもどした。

「またウォイスに捕まったんだ。」

「うん。いつも捕まっちゃうんだよ。困ったなー」

「困る程でもないと思うけど。むしろウォイスが可哀想だよ」

そう言って降ろした本を一冊一冊丁寧に鞄の中にしまう。それは最近話題の魔法グッズで、いくつも道具が入るそうだ。こいつも流行に乗っかるタイプなのだろうか。

 

「僕これから勉強するんだ。あと三日で卒業試験だし、首席で合格してやるんだ!!」

「そうなの?頑張ってねぇ。」

 

「今日はこれから勉強するんだ。ごめんね、せっかくあいにきてくれたのにさ。合格したら絶対に会いに行くから!」

 

キミも早いとこウォイスと一緒に戻った方がいいと思うよ。そう残し彼は瞬間移動で消えた。

「今日は駄目かぁー。」

そう言うと、王はムスッとしたままこちらを向いて一言「先に帰るねー。」と言って消えた。

自分の必要性って一体・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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   その後、基日

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「ちんじょなべ」

なんだか今自分は、とてつもない場に居合わせた気がします。

突然の出来事に驚いて僕は手に持ってたティーカップを取り落としかけて、中身をテーブルにまき散らしちゃいました。あぁ、あとでウォイスさんに殺されますかね(笑)

 

「あ、喋ったねぇ。ふふふ。」

王は笑いながら王子を抱っこしてて、僕の師匠であるウォイス様は扉の真ん前で口を開けてフリーズしてます。

どう表現すればいいのでしょうか、不思議なムードが漂ってます。王の周りがお花畑だとしたらウォイス様の周りは・・・なんでしょう・・・。とりあえず凄い珍しい風景だって事が言いたいのですね僕は。

王子様が喋られたおめでたいムードなのですが、部屋の半分フリーズしてるため若干残念ムードなんです。

 

そして王子は、先ほどから意味不明な単語「ちんじょなべ」なるものを連呼しているのです。王には意味が分かるらしく頻りに頷いてます。

「ウォイスどうしたのー?そんなとこで止まってないで、こっちきなよ。」

ウォイス様がそうなってるのは多分貴方の抱えてる王子様のせいです。後止まってるのではありません、固まってるのです。

「え、あはい。ところで王、今王子はなんと・・・」

「それ僕も知りたいです!」

王の一言でフリーズが解除したらしいウォイス様は、軽く咳払いをして歩み寄る。僕も便乗する。

「金魚鍋だよ〜。」

「「・・・・・・・・はい?」」

唖然としたまま 今度は師弟仲良くフリーズしちゃいました。

なんですかその食べ物は、どんだけ奇怪な食べ物ですか、というかそれ以前に食べられる食べ物なんですか。絶対に食べられない食べ物を言ってますよね、というか食べたらお腹壊しますよね。

 

王は特に気にする素振りも見せずに王子に話しかけてますね。僕達はどうすればいいのでしょうか・・・。

「ウォイス、持って〜」

そう言って王子をウォイス様の方に向かせて床に降ろす。すると王子は王の意図が分かったかのようにフリーズしてるウォイス様の足元に寄ってくる。

ローブが引っ張られる感覚で起動したらしいウォイス様は一瞬ビクッとしてから、王子を抱き上げた。

「王子、パパですよ。パーパー、PAPAです。Fatherです。Grandfatherではないです。あなたの父親です。Your fatherです。」

 

何王を指差して言ってるんですか貴方、まだ年端も行かない王子に何英才教育施してるんですか、無理ありすぎですよ。でも地味に発音がVery Goodじゃないですか。そして王子、いらない教育受けないようにその人の話は聞かないでください。

「いってみなさい。」

こんなんで言うもんですかね。

 

「ぱーぱー」

 

 

あ、言いました。しかし、王に向けてではなく、ウォイス様自身にです。かわいそ過ぎます。ウォイス様、またフリーズしてます。

「うぉーす。」

何か、本当に可哀想になってきました。王子はウォイス様に二つのあだ名をつけてくださりました。「うぉーす」(ホースみたい)と、「パパ」である。

可哀想ですが僕にはどうしようもないです。何故なら王子はもうウォイス様にしがみついて「ぱぱ、ぱぱ」連呼してるのですから。

しかもちゃんと王は「父上」と呼ばれてました。

仕方ないのでこの場は見なかった事として、僕はテーブルにこぼしてしまった中身を拭き取りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

どうも、何か暑くなってきたですね。なんか強は三十度超えたらしくてさすがに涼しい我が家でも死にかけてました。いつも死んでますがね。私は

にしてもこれでも冷房を点けない我が家はさすがであります。というか1台しかないのであります。

田舎者は肝が座ってると言うのはまんざら間違いでもありませんね(笑) 

 

今日は麦茶をすすり、sasakure.UKのアルバムをBGMにしつつパソコンで書き書き・・・でありまする。

 

その間気がかりだった事は、この麦茶がカゲ◯ウデ◯ズの第一巻のシン◯ローのPCごとく、キーボードにかかって我が父のPCが、おじゃんになるのではないかと言ういらない心配をしてました。実際コップ半分程麦茶が残ってまする。

今回は全く本編とは関係がない、小話でありまして、若干キャラを弄って遊んでみたんです。

ちょっとしたコメディっぽく見てもらえたらなぁ・・・みたいな??

 

 

そろそろ私も飯っぽいのでそろそろ終わります。頑張って本編も作って行きたいと思いますのでよろしくお願いします。

 

ところで弟の部屋から冷気が伝わってくるのですが、気のせいですよねぇ?

ちょっと電源ボタンとリモコン取りに弟の部屋を覗きに行ってきます。

ではまた

 

H.25.6.12       黒羽@

 

 

テスト明日なのに勉強しないのはバカだけです=私

一人は言う、「戦いなど虚しいだけ』 一人は言う、「僕を一人にしないで』 一人は言う、「人それぞれで良いのだ』 一人は言う、「片方を守る者、もう片方を失う」 四人は言う、「この物語を作るのは自分たち自身なのだ。』と、 だから僕は守る、彼女に頼まれたあの子と、この世界の運命を・・・・・・・・