黒の国〜影の森〜

誰しもハッピーエンドな訳は無いのだから。バッドエンドはすぐ其処まで来ている。

長編オリソニ小説〜永久の月光花〜No6 1/2

  • この小説を読む際のご注意

  • これは、別のサイト「動くメモ帳」にて公開中の長編オリソニ漫画の小説版です!
  • 漫画とは少し表現が変わっていたり、会話文等が少し変更されている箇所もありますが、基本ストーリーは一緒です!
  • まだまだ漫画は始まったばかりなので、続きの話が出来次第二巻、三巻、と更新して行こうと思っております。
  •  尚、二巻から先は書き下ろしになりますので、pixivの方には出しておりませんのでご注意ください
  •  誤字、脱字等がございましたら言ってください。 


・この小説は、あくまで私のオリソニ、を中心としたオリジナル小説です。
・この小説と、ほかのサイトにうPした漫画をセットで読んでいただくと、また面白いと思います。
・この物語の舞台は、ソニック達がいた、100年後の世界です。

・たまにエグかったりそうじゃなかったり
それをご了承の上でお読みください。OKな方のみどう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第二十一章~嫌われ者のたどり着く末~

 

 

これはラネリウス王が殺される前のお話

 

 

ある少年のお話

 

 

悪魔と周囲の者達から怖がられ

 

 

聖母マリアにさえも助けてもらえない哀れな少年だった

 

 

そう少年はこの世界で嫌われる存在

 

 

泣いたって周りからは相手になどされるはずもなく

 

 

この街、アポトスの大広場で一人雨に打たれ濡れて泣くのが定め

 

 

いくら待ったって誰も迎えに来てはくれない

 

 

だって自分は孤児であり、世界から嫌われる少年だから・・・・

 

 

「アッシュ、また此処にいたの!!だめじゃないの風邪引いちゃうわよ」

また彼奴が迎えに来た。

 

いつも笑って俺みたいな嫌われ者を教会に連れ戻しに来る。

 

彼奴は傘を俺の頭に翳し、俺を見つめる

「何で、お前はいつも俺みたいなのを連れ戻しにくるんだよ」

「何でって・・・そりゃ」

「俺みたいなのは生きていちゃだめなんだ・・・・だからいつも病にかかろうとこうやって雨に打たれるのに・・・・・」

 

『死ねないんだ・・・』

 

バシンッ

 

瞬間、左の頬が火を付いたかのように熱くなった

 

「この世に生きていちゃいけない方なんていないの!!この世に生がある限り、生きなければいけないのです!!」

 

 

そう言われてから俺は、彼奴にしがみついて泣いたのを覚えている

まだ見習いのせいか口が少し悪い気がした

 

初めて心を開いた相手はもしかしたら彼奴だったのかもしれない・・・・・

 

 

 

 

 

その後彼奴はすぐにアポトスの守護者に選ばれた。

 

 

俺はと言うと今の今まで病一つも起こさず、今も灰と化した都の教会の屋根に座って世界を眺めている。

十五の段階で成長は止まったまま、もう百年は経つだろうか・・・・

これがいわゆる不老不死と言うのだろうか

 

 

いつの間にやら消えてなくなった自分の名も、この街も、紅月にまつわる話も、俺は全て知っている。

なぜなら俺は、この世界で起こった全てをみていたから・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

第二十二章~情報屋~

 

「実はですね、本日ここに来ましたのは、あなた様に伝えたい事がございますという事で、ある人物を連れて来た次第でございますですわ。」

そう言い雨津は二人の人物を連れて来た

 

一人は娘、見た目からして物静かな感じ、だが怒らせれば殺されてしまいそうな程の気迫を感じさせた。

もう一人は少年、周りを見渡して目を輝かしている。

かなり好奇心があるようだ。エンジェルアイランドに来るのも初めてのようだ。

 

「この二人は情報屋です。紅月の行動に関して手応えがあったようなので、連れてきました」

 

「悪かったな、雨津姫このような所まで連れて来てくださって、感謝します」

「良いのよヴィクトリカ、私にも王国を守ってもらったお礼がしたかったのですわ」

そう言いヴィクトリカと呼ばれた方の娘を見る。

 

 

「おい!ヴィクトリカーあれ、マスターエメラルドじゃね?すげー初めて見た。」

「騒ぐなレイド、私達は用事があって来たのだぞ、急ぎなのだ。観光しに来たのではない」

「はーいはい、分かりましたよ、よっと」

そう言い近くの木から降りて来た

 

「僕はシャーレクです。あなた方は・・・・・」

「すまない、名乗るのが遅れた。私はヴィクトリカ、そしてこっちがレイドだ。」

「アファレイド魔道王国で情報屋をやってるんだ」

隣のレイドが付け足した。

 

 

「先ほど王女様が申されました通り、紅月に感じてのことをお知らせに参りました。」

「「あ・・・・・紅月!!」」

「わわっ、スパークさんシャオンさん、驚かさないでくださいよ」

 

 

さっきまで姿が見えないと思っていたのでてっきりお友達を探しに行かれたのだとばっかり・・・・・・

 

 

「すまねぇシャーレク、話聞かせてくれ」

 

 

 

 

 

第二十三章~闇の国ナイトライト~

 

 

ガッ

 

 

「ったくっ!!倒しても倒しても切りが無いじゃない!!」

「さっきより増えてないか?なぁサファリ」

 

背中合わせにステアが一体ぶん投げて言う

「そんな気がするわよアタシも!!」

 

こんな奴にいっぺんにかかられたら一溜まりもない

 

「おれ、さっきから気になってたんだけどよ」

「なに」

バゴンッ

一体空へとかっ飛ばした。

「彼奴がでてくる黒い塊の所、あの影みたいな所、彼処に入れば奴らを増やさないように出来るかも・・・・・・・」

「何ですって!!それを早く言いなさいよ!!」

ダッ!!

それを聞いて私はその影の元とへ駈けて行った。

 

 

 

中は思ったよりも明るく、思ったよりも暗くはなかった。

辺りを見渡すと、暗い森の中だった。足元に一冊の本が落ちていた。

「これは・・・・・・『闇と光の対なる本』?」

??????????????

何これ・・・・・

手に取ったそれは、いかにも古い本だった。

開いて見ると、先ほどステアといた場所が本の中に映っていた。ステアは私がいなくなった分不利になったため、今にも殺されてしまいそうな程の数の悪霊にとかこまれていた。

「どういうこと!?」

この本は一体・・・・・・・

 

 

 

「貴方・・・・・・・・・」

不意に声をかけられた。

「対の国の方?見覚えのない顔ですわね」

「対の国?」

「その様子ですとそのようですわね」

 

 

この国は影の国と言われる国であり、サファリ達の暮す世界(光の国)と対になっている。影の国には光の国にいる者と同じような容姿をしている者がいる。

よくは分からないが、この影の国にはもう一人の自分がいるということだ。

 

 

「???あなたは?」

「私は紅月様の側近、ライザ、サファリ・ザ・リグレート、貴様は紅月様の計画の邪魔をする反逆者として私自ら排除する!!」

「!!」

 

ガッ・・・・・

 

 

体が揺らぎ、野原に倒れ込んだ

そこから先は、自分でも覚えてない・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁあ・・・・

忌々しい・・・・・・・・

何故だ、この体では、音速の針鼠の記憶が

あやつの記憶が奥から溢れ出して来る・・・・・・・

 

「あぁぁっ!!」

「紅月様!!」

「触るな・・・・」

近づいて来たただ一人の弟子を、制止

睨む・・・

「この体は我には合わないようだ・・・・・・・別の肉体を用意しろ」

「はい・・・・あとは、彼女の体しかありませんが・・・」

「彼女・・・・?」

「はい、スペードの妻、ルシアの肉体だけです・・・・」

「アファレイド王国の元王女か・・魔力は少ないが、体は合うはずだ・・・・・少なくともこの肉体よりは」

それに、選ばれし者を殺すのにはちょうどいい・・・・・・

弟子の左手には、傷がやや付いてはいるものの、しっかり元の状態まで修復されたルシアの死体があった。

 

 

「紅月様、言われた通り選ばれし者と共に旅をしている小娘を連れて来たのですが・・・・・・」

「その小娘は少し細工をして元の世界に返してやれ、あと、マスターエメラルドの側で起っている争いも止めて来い。次のステップへ進めぬ」

 

 

「分かりました。」

そう言い弟子は小娘を連れて部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

一人は言う、「戦いなど虚しいだけ』 一人は言う、「僕を一人にしないで』 一人は言う、「人それぞれで良いのだ』 一人は言う、「片方を守る者、もう片方を失う」 四人は言う、「この物語を作るのは自分たち自身なのだ。』と、 だから僕は守る、彼女に頼まれたあの子と、この世界の運命を・・・・・・・・