永久の月光花No7. 1/2
- これは、別のサイト「動くメモ帳」にて公開中の長編オリソニ漫画の小説版です!
- 漫画とは少し表現が変わっていたり、会話文等が少し変更されている箇所もありますが、基本ストーリーは一緒です!
- まだまだ漫画は始まったばかりなので、続きの話が出来次第二巻、三巻、と更新して行こうと思っております。
- 尚、二巻から先は書き下ろしになりますので、pixivの方には出しておりませんのでご注意ください。
- 誤字、脱字等がございましたら言ってください。
この小説を読む際のご注意
・この小説は、あくまで私のオリソニ、を中心としたオリジナル小説です。
・この小説と、ほかのサイトにうPした漫画をセットで読んでいただくと、また面白いと思います。
・この物語の舞台は、ソニック達がいた、100年後の世界です。
・たまにエグかったりそうじゃなかったり
それをご了承の上でお読みください。OKな方のみどうぞ!!
第十五章〜真実を見つめよ〜
「その、紅月の話と言うのは・・・・。」
僕は緊張した面持ちでヴィクトリカの方に向き直る。彼女もまた、緊張した面持ちで口を開いた。
「異変が・・・・・・・始まりました。」
「「「!?」」」
その場に居た誰もが固まった。まるで、時が止まったかのように・・・・
「異・・・・変、何処でですか」
僕は平静を装い彼女に聞いた。答えたのはレイドだった。
「俺たちの住んでる国アファレイドとの貿易国のウェインだ。」
「正確にはどのような異変が・・・・」「不漁です。元々ここと同じく魚などの魚介類を貿易のものとして各国に売り込んでいたのですが、ある日から、ぱたりと魚が捕れなくなるという事態が起こりました。」
「ある日・・とは?」
彼の頬を汗が伝っていくのが分かった。
「紅月の・・・・・・あの花が咲いた日からです。」
「「!!」」
あの花が!?ついに咲いた・・・・・・・!
「あの花?」
驚く僕をよそにスパークは何がなんだか分からないようだった。
「お前、あの花の事を知らないのか?」
ヴィクトリカも驚き、こちらを見る。
「それはそうでございますわ。スパーク様はレヴィカルト地方の方ではないのです。テュカリエト地方の方々はほとんどこの話を知っているはずなんか無いのですよ」
「成る程、それなら何となく分かるな」
テュカリエト地方は遥か昔にレヴィカルト地方との間に起きた戦争によって長い間レヴィカルトとの交易ができなかったために百年前の話の事を知るものなどほとんど居ない。
それに比べてレヴィカルト地方ではあの花について、国、いや地方全体で起きた大きなじけんとして捉えられており、今もなお、父から子へと語り継がれている。そのため、レヴィカルト出身の者達はこの話について、よく知っている。
「つまりだな、あんたにも分かるように説明するとだな・・・「昔々、アファレイド魔道王国には慈悲深い王様がいらっしゃいました。」
「「「「「!?」」」」」
すると横からシャオンが淡々と語り出した
「王様は国民達に愛されていました。そして、王様には一人の皇子がおり、二人の側近が居ました。ある日、側近のうちの一人が王様を襲い、殺してしまいました。その事件の事を「紅月の始罪(しざい)」といいます。その時に王様を襲ったのが後に紅月と呼ばれる人物です。そして、紅月が殺した王の血を吸って育った花の事を「紅月の月光花」と言います。言い伝えではその王の血を吸って育った花が咲いたとき、世界に危険が訪れる。そう言われています。
国民達は嘆き悲しみ盛大に王を葬りました。その後、まだ幼い王子様が政治の執権を持ちました。ですが、その一ヶ月後に皇子は行方しれずとなりました。そして、生前王に仕えていたもう一人の側近も王子様とともに行方しれずとなりました。噂では、その側近は王子を連れて逃げ出した。二人して死んだ。などの様々な噂があります。」
そう言うとシャオンは僕の横を通り抜けてエメラルド色に輝くマスターエメラルドのそばへ行き、空に語りかけるかのように行った。
「戦争なんて無益なだけなのにさ、傷つけ合って何になるというの?何で皆は権力を欲するのだろう。」
シャオンのそばを風が吹き抜け、特徴的な蒼い天パのような針がさわさわと揺れる。
地上よりの高い場所に存在するエンジェルアイランド、風で針が靡く、空を仰ぐ瞳はまるで海のように何も混ざってはいなくて、その彼の風貌はまるで、一国の王のような雰囲気がした・・・・・・のは一瞬だけだった。
「あ、鳥がいる〜美味しそうだねぇ。」なんて、笑っている彼。僕は彼がすごく不思議でたまらなくなった。
何故、彼はこの話を知っているのだろうか、この話は初期に話された話。今となってはもう少し簡単に話されている。この話を知っているのはごく少数の王族達だけだ。
「なぜ、貴方がその話を知っているの?」
雨津は少しおびえたような表情で問う。シャオンは気がついてゆっくりと振り返る。動くだけで揺れた針は風で一段と大きく揺れた。
「なぜって、分かんないよ、僕だってさ」
僕は彼から発せられた言葉に驚いた。
「知りたいんだよ僕が誰なのか。気がついたらスパーク達の所にいて、名前くらいしか覚えてなくて、あと少しなんだ。後少しで思い出せるんだよ。僕の記憶。僕が何をやっていたのか、誰なのか」
『僕の耳に残っているウォイスという名の人物が誰なのか』
「貴方、記憶をなくしているの?なら何故あの伝承をそこまで事細やかに・・・」「雨津、止めろ」
気がつくと目の前にスパークが立っていた。そして後にはシャオンがうずくまっていた。
そして僕を見て一言、
「シャーレク、とりあえず俺達はフィートに言われてここまで来たんだ。とりあえず話を聞かせてくれないか?」
普段の彼とはずいぶん違う、凛とした声だった。
「分かりました。ではあちらに行きましょう。」
そう言うとスパークはシャオンを連れてシャーレクの後についていったのだった。
第十六章〜破片〜
「・・・・・り・・・ふぁ・・・り・・・・サファリ!!」
目を覚ませばそこはあの開けた所だった。
「あれ、何があっt「サファリさぁーん!!良かったですぅ、生きててくれて良かったですぅ、ところでここは何処ですかぁ?」
いきなり抱きつかれ、振り返るともふもふの白い毛に蒼い瞳の晴夢がいた。
「ここは何処って、晴夢さん!どうして此処に。「雨津様とちょっと用がありまして此処まで来ましたら、迷子になってしまいましてぇ〜」
うえぇ〜んと泣きながら話す彼女は本当に年上なのだろうかと疑ってしまう程、容姿が幼かった。
『助かったぜ、晴夢・・・だっけ?あんたが来てくれて助かったぜ。」
「いえいえ、お互い様です。」
ステアが話すには、たまたま通りかかった晴夢がなんかの呪文を唱えた所、あの黒いのは次々と消えていったのだそうだ。
「あれはただに教会の聖書を朗読しただけですよ」
「聖書?何でそんなのを読んで・・・・・」「ん〜私、昔アポトスにいた事がありまして、その時にこの歌を教えてもらったのです。」
彼女は、何の効果があったのかは分からないらしい。
きっとさっきいたあの変な蝙蝠もどきが言っていたようにあの黒いもの達は悪霊の一種なのかもしれない。
悪霊はお経などの類が苦手なのであろうか。
「ふ〜ん、とりあえず、早くスパーク達の元へ行こう」
「はい」「あ、おちょいまてよっ!!」
後を追ってくる晴夢に続いてよろけながらもステアがついて来た。
「早く、カオスエメラルドについてを聞かなくちゃ。」
そう呟いた声は、誰にも届かなかった。
next 1/2へ続く