黒の国〜影の森〜

誰しもハッピーエンドな訳は無いのだから。バッドエンドはすぐ其処まで来ている。

風と共に月の花 悲劇のお話 下

第五章~散り際に・・・・~ 晴乱十七年

 

 

気づいた時僕は、見慣れた場所に居た。

「瑠璃の森・・・・・・・」

 

僕が、拾われた場所・・・いや正確にはウォイスとであった場所。

此処は昔、魔法使い達の修行の場として使われていたそうだ。今では森の奥に忍びの里という村ができ、そこではある一族が住んでいるそうだ。

歩いていくうちに、大きな湖にたどり着いた。此処は僕が大好きだったお気に入りの場所で、空にはエンジェルアイランドが浮かんでいる。

そこの木々はまだ蒼く、出会った頃を思い出す。

 

「誰・・・・?」

声に気づいて振り向くとそこには赤い瞳の・・・過去の僕

クリーム色の毛に毛先に何色か白い混じり毛がはいっている。

「ラヌメット・アファロウス、だな」

もう一人居る。「ウォイス・・・・・・」声をだした、でも聞こえない

 

気のせいかウォイスの方は少し、いつもよりも穏やかな感じがした。

 

「お前は魔法について、興味はあるか?」

「まほう・・・・うん」

ウォイスの頬が緩んだ。そして、懐からあるものを取り出し、おもむろに読み出す。

「ラヌメット・アファロウス殿、貴殿は昨日の会議により、魔法学校高等部への進級いたす。」

これはなかなかすごい事であったのを知ったのは自分が卒業してからの話だった。いきなり基礎から教わる初等部からではなく高等部というのはもはや神的な才能が無くてはいけない

過去の自分はと言うと、意味が分からず頭の上に?を三つ程浮かべているようだ。

「まほうがっこう?こうとうぶ?なにそれ」

ウォイスは呆れたように言う

「つまりだな、お前は魔法使いとして修行をするんだ。」

「俺の監視の元で」と付け足した。

僕はやっと意味が分かった。彼が言った意味が・・・・

高等部はウォイスが受け持つクラスがある。弟子を取らないと言っていたウォイスが僕を弟子に取った理由、何となく分かってはいたけど、嘘だと思ってた。知りたくはなかった。

「紅月の子孫の僕を、監視するため・・・・・・」

 

 

 

その瞬間僕は目を覚ました。

自分は床の上に仰向けになって寝ていた。

部屋の窓から見えるのは満月。

「月って綺麗だね」

 

 

クスリwその瞬間、僕の中の何かが変わったような気がした。

 

気のせいか・・・・・・・

 

血のように赤い瞳が月に照らされ、ぎらりと光った。

 

 

第六章~悲劇~晴乱十七年

 

 

明くる日僕は、図書館に行ってありったけの闇魔法の本をかき集め、勉強した。すればする程面白い。こうすれば人を殺せるのか、操る事もできる。呪いの掛け方や悪夢を見せること。不死の薬や悪魔召還術、大魔王ルシファーの召還方法。天気を操る方法気候を変える事や、地球全体を氷河期にする事、僕はその全ての闇魔法を覚えた。難易度が高いSS級の魔法も全てできるようになった。できるようになっちゃったんだ。

気に入らない奴がいたら殺せるし、思うままに操る事もできる。不死にだってなれるし乗り移る事も思うがままさ

嗚呼、面白いね。

何で気がつかなかったんだろう。何故ウォイスはずっと僕にあんなつまらない魔術ばっかり教えてたのかな、そうか、僕がこの闇に気づかないようにするためだね、そうだったそうだった。

僕は世界最強だよ。そうだ、このままこの王国、いや、大陸全土を乗っ取っちゃおうか、面白い・・・・・・面白いよ僕ぅ、これは名案だねぇすごく良いよ、そうすれば僕の思うようにできる。壊す事だって、殺す事だって

 

僕ノ思イノママサ

 

 

 

アハハハハハハハハハハハハハハハハハハッハハハハハハッハハッハハハハッハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ・・・・・・

 

 

イイ気味、デモソノ前ニヤラナクチャ

ラネリウスサマヲ殺サナイトネ

 

 

 

 

 

 

 

ある昼間の事だった。

ウォイスはシャオン皇子と瑠璃の森まで散歩兼魔術練習に行き、ただいま外出中、いくなら今しかチャンスが無いよ。ラヌメットは王様に提案をしにいった。

 

もし彼がNoと言えば、彼は死んじゃうよ、華やかなアファレイドはおしまいだ。彼はそう呟き、ドアをノックした。

 

「どーぞー」

相変わらず呑気な声が返って来る

 

「お久しぶりですね、王。今日は久しぶりに来ましたよ」

 

「そうなんだってね、ラヌメットはこのところ部屋に隠りっきりだって聞いていたから心配してたんだよ。」

 

「ご心配ありがとうございます、王様」

聞いているだけで笑えて来るよ、この様子だと、王様が取り乱す所を想像したら、すごく面白いよ

 

「いきなりですが王、こんなつまらない世界なんか、滅ぼしてみませんか?」

王はぎょっとして、彼の方を向いた・・・・・

「どういう事・・・・・。」

彼は見るからに取り乱している事が分かった。

ぼくはにこりと笑った。

「だって、つまんないでしょ?王様も、だってさぁ」

争イノ無イ国ナンテ、ツマラナイジャナイ

王のどこまでも透き通っているような蒼い瞳が見開いた。でも、すぐに笑った。

 

「そんなアホみたいな計画、僕はしないよ。」

「もう知ってましたよ、王がそう言う事なんて。」

僕は続けて言う。

「ソレジャアツマラナイジャン」

瞬間、彼の胸は朱に染まった。

彼が傷口を抑えて倒れ込み、床に激しく吐血する。

「残念ながら心臓は外れたみたいだね、でもそれじゃあ助からないでしょ」

彼が僕を睨んで口を開いた。「なんでそんなことするの?」って、聞き取るのがやっとだった。

「決まってるじゃん、僕が闇に選ばれたからだよ」

「そんなの、ラヌメットじゃ・・・・ない、昔・・・・の・・・・ラヌメットは・・・・・」

そこまで言い、また吐血する。

「そんなんじゃなかった、とでも言いたいの?」

彼がビクリと反応する

「残念だけど僕はその名前は捨てたんだ。白魔法の名なんて、汚らわしいからね。僕は紅月だよ。冥土の土産にでも持っていってよ。じゃあね、ラネリウス・ザ・ヘッジホッグそして、さらば栄光のアファレイド」

後で彼がばたりと倒れた。そう、事実上で彼はまさにこの時死んだんだ。

 

そう言えばあの夜見た彼奴は誰だったのだろう。

でもそんな事もうどうでも良いや、

「さよなら。白の自分、こんにちは新しい僕、そして・・・・」

 

ごめんね、ラネちゃん・・・・・・・

 

 

そう言って、城をあとにした。  殺す気なんか無かった。 そんな事を思ったのはまだ僕が、完全に闇に染まってなかったから、その時僕は、泣いていた気がしたよ・・・・・・

 

あとで聞いたんだけどね、その時王様が吐いた血を吸い上げて花びらが赤く染まった花をね、紅月の月光花って言うんだってさ。

 

 

 

 

終章〜現代〜

 

「紅月様、どうかなされましたか」

「いや、何でも無い」

昔の事を思い出した。特に気にはしていなかった。

弟子は尋ねる

「そろそろ行きましょうか」

「そうだな、選ばれし者を殺すために観光地、テュリネイトへ行くぞ」

そうだ、我ハ紅月、過去ニ捉ワレナイ

「こういう時に死体って便利ですね」

そう笑う赤い瞳の弟子は、昔どこかであった気がした。

「そうだな」

先ほど移ったばかりの新しい体を見て笑う。

「この娘は動きやすい、良いのを残しておいたなライザ」

珍しくライザを褒めると、彼女はびっくりしたようだった。

 

あの街にもカオスエメラルドがあったはずだ。

さっさと回収してもらわねばならんな。彼処の守護者はたしか女だったはずだ。

先ほど返した道具にでも回収させようか。

「ありがとうございます。さすがに選ばれし者でも、自分の母親を傷つける事なんてできないでしょうしね。」

「元、母親だ」

そう、彼女は死んだ。選ばれし者自らの手で・・・・・・

 

 

 

 

 

無章〜エピローグ〜

 

 〜アファレイドの昔のお話〜

 

 

昔々、ある所に魔導王国がありました。

その国の王は、ものすごく慈悲深いお方でした。

そんな王の側には、一人の魔導士がいました。

彼は王以上の魔力を持っており、大変危険な人物でした・・・・・・

 

 

 

   ~END~

 

 

本当は此処に続きがあったんだ。

でもね、現在はその続きがないんだ。

 

本当はね、こう書いてあったんだよ。

 

ある日彼は闇魔術を学ぶために図書館へ行きました。

彼は自分の闇に飲み込まれてしまい、親友だった王様を殺してしまいました。彼は後悔しました。

殺さなければ良かった。

何で殺したのでしょう。

考えたら涙が止まらなくなりました。

泣いたあと、彼は本当の悪に染まってしまいました。

本当は心のどこかで言っていたのです。

「誰かに助けてほしい」

その彼の思いを知らなかった永遠の魔導士は弟子であった彼を封印してしまいました。

 

その封印が完全に解かれし時、彼は本当の心を僅かながらに取り戻すでしょう。自分では気がつかない程、小さな思いで

「誰か・・・・・・自分を止めて・・・・・・」

闇に飲み込まれた自分を、取り戻してくれる人物を

 

「闇があれば、光もまた共にあり」

これが、本当の終わりと始まり。

       (記述) Description  Sonic The  Hedghodg

 

 

What knows this thought is not removing him. 

what surely knows truth already -- me -- except is not required 

 

 

あとがき

 

あとがきは久しぶりですね。

こんにちは、影森です。

今回はあの悲劇を上中下に分けて、より詳しく書かせていただきました。

小説でだんだんとイメージが膨らんできました。

おかげさまでようやく紅月様の姿が描ける気がしてきましたよ。

気がつけば23ページ行っちゃいまして、文字は一万五千字は軽く超えてますかねぇ(笑)

今日風邪引いて休んでたので、『ヤ●ザキ」のふんわり食パン一切れ食べながらもさもさと書いてました。

これでも四時間パソコンと面向かっていました。

 

一応簡単に王様との関係をまとめますね。

 

当時、ウォイス様はラネちゃnげふん・・・・・げふんラネリウス様の幼い頃からの目付人(こもり)兼守り人として彼を守ってました。それと同じように彼は職を持っていましたから、と言ってもたまに出没するくらいなのですがww

魔法学校の先生をやっていました。

 

そして王子様が生まれて来た時、ラネリウスと生まれたばかりの皇子を守る役目、その時になって王宮全体を守るために、それまでにやっていた職である魔法学校(高等部)の教師を辞め宮廷魔導士としてラネリウスの部下となった。

 

 

当時、紅月様は、ラネリウス様の幼なじみであり、遊び仲間でした。ウォイスに魔法を教わり、その後、闇の魔術に引き込まれ今回の悲劇が起こったのです。

 

王子様であるシャオン様は見て分かる通り彼の息子です。

 

まぁ、軽くこんな感じですかね。

アッシュ君はあまり登場していないので今回は無しです。

 

 

漫画の方もそろそろださないとまずいと思うので頑張ります。

こんな拙い文を最後まで見ていただきありがとうございました。

ではこれで。       by影森@

一人は言う、「戦いなど虚しいだけ』 一人は言う、「僕を一人にしないで』 一人は言う、「人それぞれで良いのだ』 一人は言う、「片方を守る者、もう片方を失う」 四人は言う、「この物語を作るのは自分たち自身なのだ。』と、 だから僕は守る、彼女に頼まれたあの子と、この世界の運命を・・・・・・・・